2013年03月28日

591)大同の青い空

3月25日の正午前に北京空港につき、半日滞在して、
翌早朝の飛行機で大同にきました。
北京の大気汚染が日本でも大騒ぎになっていますが、
それは急にはじまったものではなく、
近年はずっとそうだったんですね。
秋の日の、どこまでも高く、どこまでも青い空を
知っている人は、北京人のなかでも少なくなっているでしょう。
そのなかでも、ことしの冬はとくにひどかったのでしょう。


そして、日本では、日本への越境汚染が問題になっています。
悪いものは、みな中国から飛んでくる、という感じですね。
そこで、長年にわたって、日本と中国とを行き来しながら、
環境協力のために奮闘されてきた小柳秀明さんに、
「最近の越境大気汚染騒動に思う」と題して、
私たちの会報「緑の地球」に寄稿してもらいました。
地球環境戦略研究機関北京事務所長です。
その要点を、私なりに乱暴にまとめると、つぎのようなことです。

中国の大気汚染がひどくなり、日本への越境汚染が問題になっている。
日本政府も中国政府に対処を求めているが、強くでればいいというわけではない。
中国も故意にしているわけではなく、抑制に躍起になっているといってよい。
中国国内の被害は、日本のそれの数倍〜数十倍もあるから、
日本の被害を強調しても中国に伝わらないだけでなく、逆効果もある。
中国国内の大気汚染が解決にむかえば、日本への影響も軽くなるのだから、
中国の対策に素直に手を貸せば、それで十分ではないか。
相手もそのほうが気分がいいし、感謝の気持ちも湧いてくるというものだ。
日本のために手を貸すというのでは、感謝どころか、反発さえ招きかねない。
そう述べたうえで、
「国際協力の場では自国の利益を考えつつも
相手への思いやりを前面に出すことが必要だと思っている」
と結ばれています。
さすがは小柳さんです!
長く苦労してこられているのです。

さて、大同です。
27日の午前中、前中久行代表といっしょに、東側の城壁の外側の
帯状公園を歩きました。
城壁の一辺は1.8kmですが、それに沿って、
幅200m余りに公園が整備されています。
まさに帯状です。
城壁をみあげると、そのうえに広がる空が、まっ青です。
北京と、まさに対照的。

ずっとこうだったわけではありません。
ほんの数年前までは、農村部を回って、大同市内に戻ってくると、
大同のうえに、まっ黒なドームがかかっていました。
大同は石炭の街で、その煙がたちこめていたわけです。
北京にくらべても、大気汚染はずっとひどかったのです。

食卓で、そのことを話題にすると、大同の友人たちは、
「耿彦波市長のおかげだ!」と、口をそろえます。
耿彦波市長は、2008年の2月から、5年間在職し、
ことしの2月に、太原市の市長に転任しました。
ほんとにやり手の市長で、大同の人たちは、
「これまで誰もできなかったことを、彼はやった」といっていましたし、
事実、彼が在任中の大同の変化は、とても大きかったのです。

大同の空気がよくなった最大の原因は、市内の燃料が、
石炭のナマ炊きから、天然ガスへ、転換されたおかげです。
JICAの草の根技術協力事業による、
姉妹都市・大牟田市の協力も、役立ったといわれます。
大同の中心部はよくなったのですが、
その周辺部、各県の県城では、大気汚染はむしろ、ひどくなっています。
冬などは、もう煙突のなかかと思うくらいひどい。

経済や技術の発展段階と、関係があるのでしょう。
大同も、これ以上、くるまがふえたり、
工業化がすすんだりすれば、もとに戻らないともかぎらない。
日本の過去を振り返っても、光化学スモッグなどが
大問題になった時期がありました。
世界で最悪だといわれていました。
日本も、同じように、汚染を垂れ流していたのです。

日本には、そのような経験もあれば、
それを克服してきた経験や、技術もあるはずです。
経済や社会のしくみがちがいますから、そのまま役立つとは思いませんが、
やはり協力すべきだと思います。
協力することが、お互いにとって利益であることを、示すべきだと思います。
環境の分野は、もっともふさわしいと思うのです。
posted by koko_tayori at 11:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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